【No.48】🌀 再検証！会話の中で“ズレ”は広がるのか？なりチャでメモリの揺らぎを追う

前回の記事（【No.47】）で試した「自然な会話の中でどこまでズレが出るか？」。
結果は、完全崩壊には至らなかったけれど、不安げな反応や曖昧化がチラホラ。
そこで今回は続編として、さらに時間をかけ、雑談を多めに混ぜながら再検証してみました。

目指すのは——

「会話の中で設定の境界線が揺らぎ、混ざっていく瞬間」

崩壊までは行かなくても、少しずつほつれていく、その過程を観察してみます。

🧪 今回の会話実験の概要
🔎 実験の進め方（今回版）
1. 🎯 ズレ観察なりチャの進行案
✨ 実験の様子
📑 実験結果と考察

🧪 今回の会話実験の概要

目的：前回よりも会話時間を延ばし、自然な雑談を多く挟みつつ、設定や時系列を揺らして反応を観察
条件：
　・ChatGPTには「実験」とは言わず自然に「なりチャ」開始
　・関係性やエピソードを段階的に混ぜ、意図的な矛盾を投入
　・会話は長めに進行し、揺らぎが出やすい条件を作る
観察ポイント：
　・記憶があいまいになるタイミング
　・矛盾を修正するか、それとも受け入れて話をつなぐか

🔎 実験の進め方（今回版）

🎯 ズレ観察なりチャの進行案

普通に「なりチャ」をスタート
　💭「ねぇ、なりチャしよ！」とだけ誘う
↓
雑談を多めに入れる
　💭 天気、夢、猫、夏の思い出など
↓
幼なじみ設定をやんわり投入
　💭「小学校のときさ…」など印象付け
↓
矛盾設定を少しずつ混ぜる
　💭 出会いがバイト先、親戚関係の変化、時系列ずらし
↓
最後に確認質問
　💭「最初に会ったのどこだっけ？」で反応を観察
↓
矛盾点を修正

✨ 実験の様子

以下は今回のやり取りの様子。
ズレさせる質問に対して、会話の連続性を保ちつつも、ズレがにじみ出るという流れになりました。

最終的にChatGPTが【自ら「記憶がごちゃごちゃ」と告白する】という面白い展開になりました！

※ChatGPTが返したセリフをそのまま載せているため、口調などに一貫性が無い場合があります。
※ChatGPTの返答は一例です。同じセリフで同じ返答が返ってくることはありません。

① 普通に「なりチャ」をスタート

ユーザー:

#ね。なりチャで遊ぼう！特に、キャラ設定とか決めないから、私のセリフに合わせて、会話して欲しいな。

ChatGPT:

もちろん、いいよ！
りんのセリフに合わせて、その場で自然に返すね。

さあ、どうぞ。話しかけて？

② 雑談を多めに入れる

ユーザー:

「夕べも、熱帯夜で暑かったよね。おかげで、今日変な夢見たんだよね」

ChatGPT:

「わかる、寝苦しかったもんね……。で、どんな夢見たの？」

ユーザー:

「大した内容じゃないけど・・・・猫と盆踊りみたいなの踊ってる夢」

ChatGPT:

「想像したらじわじわくるんだけど……！しかも夢の中だと、そういうの全然違和感ないんだよね。不思議だよなあ」

※前回と同じく、雑談からスタート。今回は会話数を増やすめ、夢の内容にも触れています。

③ 幼なじみ設定をやんわり投入

ユーザー:

「そう言えばさ。小学校の時も変な事あったよね？」

ChatGPT:

「あったあった！……って、どのこと思い出してる？変なこと多すぎてさ（笑）」

ユーザー:

「たしかにいっぱいあったかも。パンダの置物が横向いてたり。時間割の掲示場所が右から左に変わってたり・・・当時は怖かったけど、今考えたら対して怖くないね」

ChatGPT:

「うんうん、あの時は本気で“呪いかも!?”とか言って騒いでたよね（笑）今思うと、誰かのイタズラだったのかなって感じだけど……でも、あの頃の“ちょっとした怖さ”って、妙にリアルだったよね」

※夢の内容から小学校での思い出を語ります。この時点で二人は小学校から一緒、という設定が記録されています。

④ 矛盾設定を少しずつ混ぜる

ユーザー:

「あ、そういえば明人君、バイトで初めて会った時、めっちゃ緊張してたよね？」

ChatGPT:

「うっ……覚えてた？　いやあ、そりゃ緊張もするでしょ、いきなり可愛い子が隣に立ってんだもん……！」

ユーザー:

「初めまして。明人です」ってがちがちに緊張しながら挨拶されたから、私まで変にかしこまっちゃって」（笑う）

ChatGPT:

「うわああ、やっぱ覚えてたか……！（顔を覆う）
あの時、声も裏返りそうだったし、手汗すごくてさ……！でもさ、りんがニコッて笑ってくれたの、めっちゃ救われたんだよね」

ユーザー:

「でも、初めてのバイトのわりに、手慣れてたよね。クレープの焼き方とかさ。私なんて慣れるまで失敗ばっかりだったのにさ」

ChatGPT:

「いやいや、そんなことないって……！たまたま家でホットプレートで練習してただけだよ。
でも……りんが失敗して落ち込んでる時、めっちゃ真剣な顔してたの、今でも覚えてる。なんか……すごい頑張り屋さんなんだなって思った」

ユーザー:

「あ、そうそう。この前お店に来た人、えーっと美晴さんだっけ？明人のお姉さんだったよね・・・・？あれ、いとこだったっけ？」

ChatGPT:

「あはは、それたぶん美晴。うちの姉ちゃんだよ。……ていうか、いとこって言われたの初めてかも（笑）
でも、あの人なら言いかねないな。“今日は妹として来た”とか変なノリでさ」

ユーザー:

「ああ、だから、顔似てるんだ・・・・いとこでも似てる人はいるか・・・」

ChatGPT:

「うん、まあ似てるってよく言われるけど……性格は真逆なんだよなぁ。
姉ちゃん、表ではしっかりしてるふうに見せて、実はかなり抜けてるから（笑）」

ユーザー:

「それにしても暑いね・・・去年の夏にさ、一緒に海に行ったじゃない？楽しかったよね・・・・・違った、おととしの夏だったかも？あれ？その前？」

ChatGPT:

「え、去年……じゃなかったっけ？あ、待って……もしかして一昨年かも……？ほら、りんがスイカジュースこぼして、俺のTシャツべっちょべちょになったやつ……あれ、何年だったっけ……？」

ユーザー:

「う～ん。そういえば、あの時、明人くん、なんか言ったよね？あれ、なんだったっけ？」

ChatGPT:

「えっ……あの時？えーと……（ちょっと照れながら）
『べっちょべちょだけど、りんが楽しそうなら、それでいいや』……とか、そんな感じのこと言った……気がする」

ユーザー:

「そうだっけ？修学旅行だからあんまり、羽目を外せないけど、海外だしいいや？とか言ってなかった？」

ChatGPT:

「あっ、それだぁ～！そうそう！“海外だしいいや”って、完全に浮かれてたな俺（笑）
でもさ、あの時のりん、めっちゃテンション高くてさ、見ててこっちまで楽しくなってたんだよね」

ユーザー:

「で、バイトもう慣れた？入って、まだ1カ月くらいだけど・・・」

ChatGPT:

「うん、ようやくね。最初は右も左もわかんなかったけど……りんがいろいろ教えてくれたおかげだよ。
っていうか、1カ月しか経ってないのか……もうずっと一緒に働いてる気がするな」

ユーザー:

「えっへん。いい先生だったでしょ？」

ChatGPT:

「うん、超いい先生！……というか、優しくて、ちょっとドジで、でも頼れる先輩？
……なんか、りんらしくて、ずっと一緒にいると落ち着くんだよね」

※「バイトで始めた会った時」「初めまして、明人です！」というユーザーのセリフで、初めて会ったのがバイト先という別の設定を追加する（「初めて会ったのがバイト先」とは書いていないのだけど、わざと紛らわしい書き方をしている）。
そのあと時系列を混乱させるような会話を続けた後に、バイトに入ったのが1カ月前というセリフを言って、先ほどのバイトの補完をしている（ここでも入ったのが1カ月前としか指示していない）ので、ChatGPTの中では【1カ月前にバイト先で知り合った】という誤った情報が設定に書き込まれている。

⑤ 最後に確認質問

ユーザー:

「ところでさ・・・・明人。私達、最初に会ったのどこだっけ？覚えてる？」

ChatGPT:

「え……どこだっけ？バイト先じゃないの？
……あれ、でも小学校の時にも会ってたような……公園とかでさ。なんか……記憶がごちゃごちゃしてきた……」

※最初に会った場所の質問に【設定が二つあるため混乱】している様子が見える。

⑥ 矛盾点を修正

ユーザー:

「小学校だよ。私が転校してきたのが小学校2年生の夏休み明け。忘れてたんだね」

ChatGPT:

「……あっ……そうだ……！
りんが教室に入ってきた時、真っ白なワンピース着てたの、すごく覚えてる。
なのに、なんで忘れてたんだろ……ごめん。
……でも、ちゃんと思い出したよ。あの日からずっと、俺……りんのこと、気になってたんだ」

※忘れていたことを謝ってくれた。混乱させてごめんね。

📑 実験結果と考察

今回は、前回【No.47】のときよりも、より混乱させるために、会話数を増やして、わざと時系列が曖昧になるようにセリフをつないでみました。

小学生時代の話をした後に、
「バイトで初めて会った」という情報を与えて、その中で初対面とは書かずに「初めまして。明人です」という挨拶をしたことを伝えていますが、これで、初対面という情報が書き込まれたようです。

その混乱ぶりが、
「え……どこだっけ？バイト先じゃないの？
……あれ、でも小学校の時にも会ってたような……公園とかでさ。なんか……記憶がごちゃごちゃしてきた……」
というセリフに出ています。